【特集】糸魚川の現在② 現場の様子と支援状況
昨年12月の大規模火災から4ヶ月。
◆現場
<火災当時>
合計147棟が焼損(全焼:120棟、半焼:5棟、部分焼:22棟)。
145世帯、56の事業所、260人に被害が出た。
現場周辺と、がれきの仮置き場でのアスベスト、ダイオキシンの数値は共に標準値だった。
画像:糸魚川市役所HPより
<現在>
市による、基礎以外のがれき撤去は3月22日に終了。一度更地にするため、今後はコンクリートを剥がす作業が始まる。
画像:がれき撤去の終了した現場(4月10日撮影)
撤去されたがれきは姫川河川敷に運ばれた後、次のように分別し、それぞれ事業者に処分された。
・金物→坂井ストックヤード
・廃木材→セメント工場
・可燃物→清掃センター
・コンクリートがら→処理事業者
・混合廃棄物→最終処分場
火災で焼失した事業所は、徐々に仮店舗で営業を再開している。
◆支援
今回の火災を受け、市役所は様々な支援サービスを行なっている。
その一つが、「がんばれ糸魚川おでかけパス」。
火災によって車などの移動手段を失い、外出が困難になった被災者が、糸魚川バス株式会社が運行する市内の路線が乗り放題になるというサービス。
画像:がんばれ糸魚川おでかけパスのサンプル
もともと糸魚川市には、「高齢者・障害者おでかけパス」というサービスがある。これは、市内の路線バスの定期代を市が一部負担することで、高齢者や障害者の外出を支援するもの。本来5,660円かかる6か月定期が、3,000円となる。これを応用し、市が定期代を全額負担することで、被災者は無料で市内の路線バスを利用できるようにしたのが、おでかけパスである。
「がんばれ糸魚川おでかけパス」を考案したという、糸魚川市役所建設課の白澤さんは、思いついたきっかけについてこう話す。
画像:糸魚川市役所 建設課計画交通係主査 白澤光子さん(市役所内を案内してくださった方★)
『早い段階から、(市役所の)それぞれの課で、被災者の生活を支援をするアイデアを出しなさいと言われていました。被災者の方は、まずはその日の寝る場所や、翌日の生活といったものが最優先だったので、最初は(おでかけパスの案は)脇におかれていましたが、1月の被災者説明会のときに、お医者さんに行くとかお買い物に行くとか、生活の足に困っているという話を聞き、この制度を立ちあげました。』
東京とは違い、スーパーや病院など日常の移動に車が欠かせない地域なので、こういったサービスは「ありがたい」を通り越して、「必要不可欠」なのではないか。
申請には、被災証明書または罹災証明書(提示のみ)と本人確認書類があればOK。
尚、がんばれ糸魚川おでかけパスは平成30年3月31日まで継続予定。
【動画版】